不適切保育は、保育士の待遇の問題?人間性の問題ではないのか
最近、不適切保育のニュースが続々と出てきていますが
まともな保育関係者であれば、やっと世間に認知されるようになったのか
ここから改善されてほしいと強く願っているのではないでしょうか。
私自身も不適切保育を行っている園にあたった事があり、ニュースを見るたびに過去の壮絶な日々を思い返します。
今思えば、入社面接時に感じた違和感は正しかったと思います。
私は、主任としてある小規模保育園に入りました。
園長は、基本的に午前中不在。連絡も繋がらない。お昼過ぎや夕方にならないと出勤してこないという管理者不在の園でした。
午前中は、区役所に行っていると訳のわからない言い訳をしていましたが(毎日、行く必要がない)おそらく、不適切保育を行っている保育士たちと関わることを避けていたのだと思います。
社員は、全滅。
唯一、調理師さん2名とパートさん2名だけが信頼できる存在でした。
不思議なことに当事者である保育士は、不適切保育を行っている自覚がありませんでした。
〇子どもを持ち上げて床にドンと叩きつけるように座らせる
〇子どもに向かって「○○ちゃん嫌い!!」
〇喜ぶからと言って、お昼寝用バスタオルで子どもを巻く
〇お昼寝から起きないと滑り台だよと言いながらベットを傾けて落とすなど
まともな人であれば、その行動は虐待であると判断ができると思います。
その行動がとても危険で、子どもたちのこれからに大きな影響を与えてしまう重大な事であるというのになぜか、当事者の保育士は全く気付いていないのです。
もちろん他の保育士も見ていますが、関係性を崩したくないからか、虐待行動を目にしても知らんぷり。仲良く話をしてケタケタ笑っている状況。
保育士として、この状況で笑顔で話せるものなのか?子どもたちの姿を見て、何も感じないのか?
言葉は悪いですがこの人たちは、頭がおかしいと思いました。
こんな園が実在するとは、、、
私に保育士資格を剥奪する権限があれば、、、と強く思う日々でした。
<保育士Aとのやり取り>
私「どうしてそのような行動をとったのですか?」
保育士A「〇〇ちゃんが悪い事をしたからです」
私 危険行為を止めるように伝える(なぜそのような行動をするべきではないのかを説明)
保育士A 泣き出す
保育士A「私は○○ちゃんの事を思ってやったのに、どうしてそんな事を言われなきゃならないんですか!!」
子どもの為?、、、、親御さんにそのままお話しさせていただいてよろしいでしょうか?
???が止まりません。
怒り、悲しみ、呆れ 様々な感情が押し寄せてきて、一瞬混乱します。
保育士の行動や発言により、子どもが怪我をしてしまうリスク、心を傷つけてしまうリスクについて何度も話をしましたが、最後は悔し泣きをして仕方なく謝るの繰り返し。
しまいには、新しく入ってきた主任が意地悪をしてくると会社に告げ口をする。
会社もブラック。まともではなかったので、まんまと信じる、、、、。
その保育士は、指導をされる度に悔しがり私に嫌がらせをしてきましたが、、、
指導後は、子どもに対して同じ行動を繰り返すことはなく、危険行動はなくなっていきました。
そして退職。
~不適切保育は、保育士の待遇が悪いから起こるのか?~
保育士の待遇が悪く、心にゆとりがない事が不適切保育の原因ではないかという記事を見かけましたが、本当にそうでしょうか?
保育士は、子どもを大切に預かるというのが仕事です。
忙しいからといって虐待しますか?心のゆとりがないと虐待しますか?
頑張っている保育士さんたちに失礼ではないでしょうか。
むしろ不適切保育を行っていた保育士は、自分が楽をするために管理的な保育をしていましたし、思うように子どもが動かないと力ずく、もしくは脅迫めいた言葉がけで保育をしていました。
私は、不適切保育=人間性の問題
だと思っています。
保育士の待遇改善は、必須ですが不適切保育とは全くの別問題だと思います。
待遇が悪くても毎日全力で子どもたちを保育している素敵な先生はたくさんいます。
~問題は、保育士の質の低下ではないのでしょうか?~
・保育士が不足していることもあり、雇用のハードルが下がっている。
・辞められたら困るという理由から指導が曖昧になってしまう。
・研修に参加する時間も人出もなく学びがない。
(向上心がある先生は、就業後や休日などを使って参加している方もいます)
・力で押さえつける管理的な保育をしている
・リスク予想ができない。(これやったらどうなる?)
・命を預かるという自覚がない
・子どもではなく、職員との関係性を一番に考える
・子どもは可愛いが、自分が一番
命を預かる仕事という自覚がない保育士がいるのは致命的です。
もっと強い意志をもって保育士という仕事に臨んでほしいと心から願います。
子どもを見ながらの現場指導には、正直限界があるのが現実です。
保育士として当然である子どもを大切にする事が出来ない保育士は、大切にしていない自覚すらありませんから常に側で細かく指導をする必要があります。
(それでも厳しい方もいると思います→他の職業をおすすめします)
現実的に考えて、人手不足の保育園でそのような体制をとることはかなり厳しいです。
しかし、子どもに万が一があってからでは遅い。
保育現場に出る前にもう少し、人として自身の心を整える必要があると思います。
以前、TV番組である方が
【自分の気が足りて充満している人は、他の人にその気を分けられる。気配りができる】と話していました。
その話に納得。
確かに気配りができる方は、心が落ち着いていて素敵な方が多いなと友人保育士さんたちの顔が浮かんできました。
自分の心が満たされることで、子どもたちにも優しい気を与えることができるのかもしれません。
この状況どうしたらいいのか?
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簡単な事ではないかもしれませんが、保育現場に出る前の育成のタイミング、保育士養成校で人間性を養うようなプログラムを導入していただくのはどうでしょうか。
保育士として何が大切なのかを学ぶ
インプットばかりの知識の学びをメインにするのではなく、自分自身に向き合う時間であったり、子どもたちに何が必要なのかを考える。
また、現場で必要なスキルをしっかりと身につけさせることで、何もかもが受け身姿勢のスタートを切るよりも自分からできることが一つでもある事で、保育士の心にゆとりができるのではないかと思います。
新人さんも安心して子どもたちに向き合う第一歩が踏み出せるのではないでしょうか?
保育士には、心の優しい思いやりのある人間性の良い人が必須です。
不適切保育がなくなる事を切に願っています。